渋谷オーチャードホールにて開催された「シンディ・ローパー メンフィス・ブルース ジャパン ツアー 2011」に行ってきました。

 シンディ・ローバーは15日から始まる日本公演の為3月11日に来日しました。あの大地震の直後で成田空港に着陸出来ず、横田基地を経由して羽田へ。都内のホテルに着いたのは翌日の早朝だったそうです。
 その後の日本の状況を体感し、もちろん悩んだと思いますが、あえて日本にとどまり、公演の敢行を決めたその勇気に、私は心からの敬意を表します。

 コンサートは、派手な演出がされたスタートではなく、不安で傷ついた心を優しく撫でてくれるような静かな始まりでした。客席の照明が暗くなりステージにミュージシャンがスタンバイしたあと、シンディは、そーっと出てきたのです。その姿に皆が即総立ちになりました。そして大拍手に包まれながら曲が始まると、そこからはもう素敵なシンディ・ワールド!ステージ上を右へ左へと駆け回り、時には客席にも降りてきて大熱唱!とても57才とは思えないエネルギーです。客席から「可愛い!」って声がかかるほど、本当にキュートで、声量もスゴイ!ユーモアたっぷりだし、彼女の魅力を、どう表現したらよいかわからないけど、とにかく目が離せない!のであります。

 曲の合間には日本語で「ゲンキ?」と呼びかけたり、一緒に歌えるようにリードしてくれたり・・客席を見渡すと、それがノリノリのアップテンポな曲でも、涙を流している人が私を含め多数いました。ステージで力一杯歌う姿を見て、本気で私達を励まそうとしてくれているのを感じるからです。

 彼女だって不安だと思います。NYに家族を残して日本に来ていて・・多くの外国人が日本から帰国していく中、たとえ「私も帰ります」と言ったとしても誰が責めるでしょう。この時期にコンサートなど不謹慎だと言う人もいるでしょう。でも彼女は「少しでも元気になって欲しい」と、歌うことを選択してくれました。

 最後に皆で一緒に歌った「True Colors」は、今の日本への応援歌。。
そうだよね。今こそ、チカラを合わせて、知恵を出し合って、勇気を持っていなくちゃ。そうやって、私の親や祖父母の世代の人達は日本を作って来たのだから。。シンディも日本人のTrue Colorsを信じていてくれてる。私達も信じなくちゃ!

 あの日から・・・不安なニュースの中で日々を暮らし、少しの揺れにも怯えてしまう・・でも、東京で雨風をしのげる環境にいられるだけでも有り難いことなんだと、怖いとか不安だなんて、私は大人なんだから言っちゃいけないと、心の中に閉じ込めていたものがスーッと流れ出ていくようでした。そして、今自分に出来ることは何なのかをしっかり考えて日々生きようと、大事な時にちゃんとチカラを発揮できるように元気を出そうと思えるようになりました。落ち込んで縮こまってしまったら、明るい未来が遠くなってしまいそうだから。

 そうそう、トク筆すべきことがあります。シンディ・ローパーの最新アルバムには、マリーンと同じ事務所のTOKUさんが参加しています。CDは1曲のみだけど、このライブでは何曲も共演して、途中「TOKU!これ日本語で何て言うの?皆に説明して・・」と依頼されたり(シンディのコンサートだから自分が出しゃばるのは悪いと恐縮していましたが)、信頼も厚いようです。ミーハーな事を言わせて貰えれば、シンディ・ローパーと言えば、マイケル・ジャクソンやマドンナと並んで世界的ヒットナンバーをいくつも出してきたスターで、MTVを食い入るように見て興奮していた世代の私(カミングアウト?)としては、このような大物と共演しているTOKUさんを誇りに思います。演奏、カッコ良かったですよ!

 コンサートの終了後、ロビーでは作詞家の湯川れい子さんの呼びかけで、東日本大地震への義援金を募っていました。募金箱を持っていたはデーヴ・スペクターさんご夫妻、相川七瀬さん、平尾昌晃さん、森口博子さん、TOKUさん等々、そしてシンディも!・・・本当に感謝の気持ちでいっぱいです。。。。

 会場の外に出たら、偶然にもマリーンの新譜のジャケットデザインを担当された方に会いました。やはり会場にいらしたそうで、「マリーンが今のシンディの歳になったときが楽しみですね!(きっとスゴイに違いない!)」というような話をしながら帰路につきました。(本当に楽しみ!)実はちょうどこの日サンプルを頂いたところなのですが、皆さん、期待していてください!歌もジャケット(中身も必見!)も本当に素敵ですよ。
 残念ながら、発売日が少し延びることになってしまい、お仕事もいくつか延期になったことから、現在マリーンは家族と一緒に過ごしてパワーを蓄えているようです。新譜の発売と、ライブと、どちらが先になるかな?どちらにしても、皆さんと笑顔で生マリーン出来る日が待ち遠しいです。