昔々六本木に「ミンゴス」というライブハウスがありました。「フュージョン」という言葉が出来たころのことです。
そのころのボクはスタジオミュージシャンとしてすごく忙しい時期でした。多くのスタジオミュージシャンは毎日の仕事をこなす日々を送っていて、自分たちのための音楽をやりたい・・という思いを感じていました。そんな時期にサックスの村岡健、トランペットの数原晋それにボクを中心にリハーサルバンドを結成したのです。
メンバーはその都度少しずつ異なっていましたが、ピアノは宮城純子(初代スクエア)から笹路正徳(二代目スクエア)ベースに高水健司、長岡道夫、ドラムにマイケル河合(当時まだ学生でその後CBSソニー入社)、武田光司・・こんなメンバーで定期的に「ミンゴス」で実験的な音楽をやっていました。お客もあまり入らず、お店には迷惑をかけてしまいました。 |
こんなバンドでしたがキングからレコーディングの話が来て、「SOFT LANDING」(SKS-3005)というアルバムを発売しました。コンセプトは目一杯難しいけど、明るいサウンド・・といったところです。77年のことです。当時 Sea Winds というすばらしいバンドがあって、アルトとトランペットのフロントで女の子の歌が入ったポップなサウンドでした。そのサウンドを参考にしながらも、難曲に挑戦していたのです。例えば、メンバー全員が自分のアドリブを譜面にしてそれを全員がユニゾンで演奏する・・といったこととか。今はアナログレコードを聴けないので音を確認できないのですが、かなり革新的なことをやっていました。(いつも20年早い!)
先日、渋谷のレコード屋でカウント・バッファローズの「Get Up!」というアルバムが再発されているのを見ましたが、このアルバムもどこかでCD再発して下さい! |
 | Soft Landing
(KING SKS-3005)1977
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ボク自身誤解していたのですが、NASKAというのはこのバンドの名前ではなく、単にある曲のタイトルです。バンドの名前は「村岡健グループ」(超単純!!)です。
余談ですが、このバンドでライブをやっていた時、ブレッカー・ブラザーズがちょうど来日していて遊びにきたのです。ステラ・バイ・スターライト他何曲かセッションをしたのですが、その模様をあるお客さんが録音していて、その後十年位経ってから偶然そのテープを聴かせてもらったことがあります。マイケル、ランディー、ボクもかなりいい演奏だったと記憶してます。このテープもまた聴きたいな〜! |