いろんな話
(楽屋話やまじめな話など)
あんびえんすギターの話楽屋話
GREEN ROOM

 去年(02年)は8月10月と二度アメリカへ行ってきました。昔と違って楽しみより、しんどさの方が大きく、年を感じてしまいます。楽器や荷物を持って成田へ行くだけで本当に疲れちゃうんです・・。情けない・・とほほほ。とはいっても、いざ行けばやはりそこはミュージシャンの性(サガです!)、面白いことがたくさんあり、刺激もあってハイになってしまうのです。

 特に8月の方は避暑地でのジャズフェスティバルで、いろんな人やグループが出演することもあり面白いことがたくさん起こりました。

 LAから2時間ほどの、日本でいえば八ケ岳か軽井沢みたいな避暑地でジャズフェスティバルがありました。3日間4〜5個所で延べ20組位のグループが出演するというかなり規模の大きいフェスティバルです。誰でも知っているような有名なグループから、誰も知らないような無名グループまで様々なミュージシャンが集まりました。
Idyllwild Jazz Festival
[Idyllwild Jazz Festival]会場にはクラゲのような屋根が。


 何人もが何カ所かで演奏するので、楽屋は大きいものを全員で使います。この楽屋はGREEN ROOMと呼ばれ、飲み物、果物、軽い食事が常に用意され、出演者関係者が和やかにおしゃべりしたり、打ち合わせをしたりしています。大騒ぎし、はしゃぐもの、女の子を追っかけるもの、静かに談笑するもの、隅でうたた寝するもの・・全く日本の楽屋と同じ雰囲気が漂っています。

 ボクは普段から人間観察が好きです。知らない人を眺めながら、バックグラウンドを想像し、イメージを膨らませます。カフェで道行く人を眺め、特に綺麗な女性の後ろ姿を目で追う・・(決して変態ではありません)。そんなボクにはこのGREEN ROOMは格好の観察場・・。
 
Idyllwild Jazz Festival
[Idyllwild Jazz Festival] 直居(g) Gunnar Biggs(b)
John Neptune(Shakuhachi) Mark DeRose(dr)
 すると、変なことに気がつきました。音楽的に凄くレベルの高い人や、スターと呼ばれる人達には共通した落ち着きみたいなものがあるのです。冗談をいっても余裕があり、久しぶりな人との挨拶でも必要以上に大げさににはならないのです。逆にいえば、まだまだこれからのミュージシャンや、仕事を獲得しようという意欲に燃えている人達は、ここぞとばかりに大げさに自分を売り込み、はしゃぎすぎな感じがします。凄く明るく社交的でいいんだけど、余裕がなく、痛々しさも感じることさえあります。

 考えてみれば当たり前のことなのですが、自信が落ち着きを生み、落ち着きが安心感を周りに与えます。こうやってレベルの高い人はより上のレベルにいきやすくなります。まるで「大貧民」ゲームのようですね!
 日本もアメリカも関係なく、みんな個人的作業として音楽をやっています。ボクも何十年とやってきちゃったので、本音がけっこう見えてしまうのです。意地悪な見方かも知れませんが、案外正しく見えてるような気もします。みなさんどうお考えでしょうか?
 自分が楽屋でどのように見えてるかは分かりませんが、落ち着いて見えると嬉しいと思います。でもその前に、経験と練習と勉強によって得られる自信を、本当に感じることができるようになるのが先決!!

 さあっ、練習しよう。