いろんな話
(楽屋話やまじめな話など)
あんびえんすギターの話楽屋話
餅は餅屋・・

 先日コマーシャルに出演しました!とある二世帯住宅のCMで、ギターのうまい、粋なおじいさん役です。

 今までCMの音楽を作ったりギターを弾いたことは何度もあるけれど、出演というのは初めてのことです。でも、この話が来たとき直感的に「面白そう!」と感じました。もともとボクは好奇心が強いのですが、音楽以外の業界に対する興味のようなものです。

 撮影は朝7時スタート!!ボクにとっては超早起きしなければなりません。でも、他の出演者やスタッフはもっと早く、暗いうちから働いているのです!文句は言えません。
 初めのシーンは柴犬と競演。この犬がメチャおとなしく、落ち着いていて貫禄です。かなりの出演経験を積んだお方と見え、じっとして凛とした目つきで演技してます。(ボクにはそう見えました・・)たいしたもんだ〜。

 撮影当日は天候が不安定で、お天気待ちや他の方のシーンなどで結構待ち時間があったのですが、その間スタッフと色々な話をしました。この辺は音楽のツアーへ行ったときの楽屋と同様のノリです。(こういう時間が結構楽しいんだよね!)

 ワイワイと楽屋話も盛り上がり、ボクの緊張も少し解けてきたところで、いよいよメインのシーン撮りになりました。ギターを弾きつつ、ちょっと芝居もしつつ、簡単な(本当に簡単な)台詞もあったりして、それなりにボクにはプレッシャーのかかる状況です。
 もともとボクは役者ではないので(あたりマエダ!)格好付けて芝居するといったつもりはなく、監督の言うがママに自然にふるまえば・・と考えていました。それでも監督に「こんな感じで・・」「こんなパターンも・・」「こうしたらどうかな・・」とか言われると、ボクの頭の中は「この辺でこんなフレーズ弾かなきゃ・・台詞のタイミングはここかな・・ニコっとした方がいいのかな・・時間的にこれでいいのかな・・目線は・・表情は・・姿勢は・・」と様々な思いが駆けめぐりCPU処理能力の限界を超えてしまいます。段々と目はかすみ、脂汗は出る、声はひっくり返る、ギターは間違える、あっちが良ければこっちが悪い状態へと突入です。音楽の仕事では感じたことのないパニックです!!しかし、監督はさすがプロ。そんなボクにも優しく「今の良かったよ」となだめすかしながら30テイクほど撮りました。

 監督の「OK」の声が響き、スタッフから拍手が起こり(本当です)ボクは何だかみんなの好意がとっても有り難く、頭の下がる思いでした。

 後日音楽の録音の時に初めて編集ビデオを見ましたが、「これがボクなの??」と、自分で考えている自分のイメージと人が見ているボクとがかなり違うことを実感しました。自分の声を録音して聞くと「こんな声なんだ〜」とビックリするでしょ、そんな感じです。恥ずかしくても、多少おかしくても、自分のことを正確に認識することは自分の為になりますよね。

 CM撮影現場は、音楽と比べるとずっと沢山の人が働いています。それぞれの方がそれぞれのプロです。彼等から見れば、ボクのささやかな演技上の努力もきっと見え透いていたことと思います。どの世界でもきっと同じなのだろうと強く感じました。とっても面白い経験をさせて貰いましたが、同時に、プロに対する尊敬を強く感じた仕事でした。ボクも音楽の世界で尊敬されるようになりたいものです。

 関係者の皆さん色々とお世話をかけすみませんでした。(ペコリ)そして、どうもありがとう!