いろんな話
(楽屋話やまじめな話など)
あんびえんすギターの話楽屋話
教える・・ということ

 アン・ミュージック・スクールという学校でギターを教えるようになって何年もたちました。未だに、教えることに慣れず、結構しんどい思いをしながら悪戦苦闘といったところです。

 教えるということは、自分も復習しつつ確認しなければならないので自分のためにもなると思っています。当たり前と感じている理論も、いざ教えるとなるとつじつまが合わなくなってしまったり、技術的なこともいざやってみると、ぎこちなく、焦ってしまうこともあります。ボクの場合、生徒によって教える内容は異なりますので、全体のカリキュラムなどなく、どっちかといえばその場で生徒の反応を見ながらクラスは進行します。これはボクがいい加減なのではなく、この方法が生徒にとって一番いいと思えるからです。

 たとえばある生徒には、「コードトーンをつないで良いメロディーで歌うようにアドリブをしろ・・」と言いますが他の生徒には「もっと冒険してコードトーンを気にせず大胆に・・」と矛盾したことを言います。生徒もずいぶん矛盾したことを言う先生だと思うのでしょうが、どちらのアドバイスも正しいのです。生徒がその時点で何を学ぶべきか焦点を合わせ、モチベーションをもって練習しなければ効果が上がらないからです。
 この話を自分にも当てはめると・・ある時は繊細に丁寧に、ある時は大胆に失敗を恐れずに・・といった具合に矛盾するかもしれないけど、いろいろなサウンドを創造すべくいろいろな考え方を実行し、またそれを実現できる技術と知識を身につけなければならないのです。

 音楽を作るってけっこうすごいことですよね!

 教えることで学んだことは、技術や知識ばかりでなく、様々な、文字通りカラフルなアイディアを実現するのはとても大変なことなのだということでした。
 ボクの生徒たちの中から、何人かは本当にうまいギタリストとして一人立ちした人もいます。彼らのいい演奏を聴くと本当に嬉しく思えます。特に創造性のある演奏をしたときは、誇らしく感じます。ボク自身も音楽には何が大切なのか生徒たちから教わることがあるのです。
 これからは自分自身に言い聞かせなければなりません「もっと冒険して!もっと大胆に!」と・・。