いろんな話
(楽屋話やまじめな話など)
あんびえんすギターの話楽屋話
クリビツテンギョウンダ

 昔昔どこかの小さな町へ行ったときの話・・。

 だいたいビータの時は、仕事が終わるといったんホテルへ戻って荷物を置き、シャワーをあび、ロビーへ集合し夜の町へ繰り出す・・というのが定番となっています。  その日はピアノのH、ベースのE、それとボクの三人で繰り出そうということになりました。さんざん飲んで騒いで盛り上がり、そろそろ帰ろうということで三人でタクシーを拾いホテル名を告げると、初老のおとなしそうな運転手さんはうなずいて発車しました。

 僕たち三人は酔った勢いもあり、音楽の話とちょっぴり女の子の話を大声でしゃべっていたのですが、ふと気づくと、タクシーが異常にノロイのです。年輩の運転手なので超安全運転なのかとも思いましたが、だんだんイライラしてきました。
 その時誰かが「このシータク、ソイオだよね」と言ったのです。もうその後は「テンシュンウチャンジー」「ガナイショウ」「ロイトトコイイ」「イッタマイッタマ」とかなんとかひどいことになってしまいました。日本語(?)に訳すと・・「このタクシー遅いよね」「運転手がじーさんだからね〜」「しょうがないよ」「とろいもいいとこ!」「まいったまいった」・・と、こんなところでしょうか。相手が解らないのを良いことに言いたい放題になってしまったわけです。
 そんなこんなで変に盛り上がっているうちに、なんとかホテルに到着。料金を払おうとしたとき、運転手が後ろを振り向き言いました。

 「デーセンゲーヒャクです、いや〜懐かしくてね、おもわず聞き入ってしまいましたよ。ボクも昔東京でバンドやってたんです。」

 「!!??(しばし固まる).............。どうもすみませんでした!」

   ふーっ、「クリビツテンギョウンダ!」

楽屋話の目次へ戻る