昔・・もう20年位になるのかな・・野口五郎のバックバンドをやっていました。ご存じの方も多いと思いますが、彼はミュージシャンにすごくうるさくて、当時のメチャいい(高い)スタジオミュージシャンでバンドを作り、レコーディングもツアーもやっていたのです。
ゴローちゃん自身もとてもうまいギタリストで、当時はIBANEZ(イバニーズあるいはアイバニーズと発音します)とモニター契約があり、何種類ものIBANEZを使っていました。ある時IBANEZのスタッフが「オールドのGibson335と同じディメンションで作りました、使ってみて下さい。」といって持ってきました。ゴローちゃんは当時セミアコよりソリッドの方がよく使っていたので、「この楽器直居さんの方が合ってるみたいだから、使ってみて。」と言って、ボクにくれちゃったのです。 |
 | そのときはボクは335の古いのを持っていたのでこのIBANEZは正直言ってあまり興味が持てませんでしたが、とりあえずくれるというので貰ってしばらくは押し入れに入れっぱなしになっていました。
その後、335にフレット交換の必要が出て来て、その他のメンテも必要になったので、数ヶ月入院することとなり、その間このIBANEZを使うこととなったのですが、335と比べ重たいことと、ピックアップがどうしても気に入らず、使いたくありませんでした。それでも仕方ないので渋谷のパコでピックアップをディマジオのPAFに交換し、スタジオで使い始めました。
スタジオではテストや、OKテイクをプレイバックするのですが、そのとき「んっ・・こいつはいいかもしれない!」と気がついたのです。
335をあまりにも長く使いすぎたので、その音に慣れてしまい、違う音だとそれだけで拒否反応があったのですが、プレイバックという冷静な耳で聞くと、これがとても太いクリーンな音で、この方がいいぞと考えるようになりました。 |
写真では分かりにくいですが、 大変きれいな木目です。 |
ただし、ディストーションをかけた音は重たすぎてあまりよくありません。リアでならしてももやっぱり「なんか太すぎて変だ」といった感じで、当時流行っていたカリフォルニア風ロックフュージョンのような軽いサウンドにならないのです。
・・というわけで、それ以来スタジオにはこのIBANEZと、テレキャスター(やはりオールドでGibsonハムバッキング付き)二本を常に用意し、愛用することとなったのです。
このIBANEZは形こそ335ですが、メープル単板(トップ、バックともに)3ピースネックでしかもボディーエンドまでのスルーネック、ナチュラル仕上げで木目もすばらしく、木工技術もすごくいい・・つまりメチャお金がかかっていて買えば高〜いギターです。本当によいギターです!IBANEZさんありがとう。(もとい、ゴローちゃんありがとう!) |  |
セミアコのスルーネック! |
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さて、335の方はといえば、ばっちりメンテもすんで戻ってきたのですが、もはやIBANEZを使うことの方が多くなり、今度はこちらが押し入れに入りっぱなしとなってしまいました。その後、結局もう使わないということとなり、売りに出してしまいました・・。
全くの偶然なのですが、この335を買ったのは「パワーゆう」というマックのお店のSさん(昔プロのギタリストでした)という人で、以来、ギター教えるからマック教えて・・みたいなつきあいをしています。ちなみに「日曜日のiMac」という本(これがとっても面白くすばらしい本です!)に、この335の写真が掲載されています。見て! |
インレイも豪華。ナットはブラスなのだ。 |
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