いろんな話
(楽屋話やまじめな話など)
あんびえんすギターの話楽屋話
Pignose

 最初にのせる話題としては、自分のメインの楽器について書こうとも思いましたが、その前にこの「ピッグ・ノーズ」というギターアンプについて話したいと思います。アンプの話というよりも、ミュージシャンとしての心構えみたいなものだと思って聞いて下さい。

 写真では大きさがわかりにくいと思いますが、これはとっても小さなアンプなのです。どのくらい小さいかというと、20cm×15cm×10cm程で、重量も指一本で持てる程度です。 単3乾電池2、3本で駆動し(ACアダプターもあります)、当然大きい音はしません。とりあえず鳴りますという程度のものです。したがって独特のサウンドとなり、人によっては歪ました時の音がいいといって、レコーディングで使うこともまれにありますが、基本的にはチープ・スタッフという感じです。
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 はじめてニューヨークへ行った時(30年くらい前のことです!)街で演奏する、いわゆる「ストリート・ミュージシャン」がこのアンプを使っていました。小さいことと、バッテリー駆動なので便利だったのです。ギタリストだけでなくベースも、時にはキーボードも鳴らしていました。 見た目にもかわいいので、ボクもその時「マニーズ」という楽器屋で一つ買ったのが写真のアンプです。値段は忘れましたが、当然安かったと思います。今でも家で練習するとき時々使っている、現役です。

 皆さんが音楽を聴くとき、ミュージシャンのキャリアとか、有名だからといったいわゆる「ブランド性」みたいなものを基準に聴いていませんか?でも、基本は「ストリート・ミュージシャン」であるべきです。街に立ち、道行く人どれだけ聴かせることができるか、前に置いた帽子にどれだけ金を入れさせるか・・これが基本だと思うのです。ボク自身長いことミュージシャンをやっていると「こんなに有名な人たちとプレイしてきたのだから、きっとうまいギタリストなんだろう。」といった具合に見られているなと感じることがあります。でもこれってなんか違うよね〜。ボクを評価してるんじゃなくて、ボクの「ブランド性」を評価しているのです。人の演奏を聴くときも、自分が演奏するときも音楽そのもので勝負したいなと、強く感じています。

 ・・というわけで、ミュージシャンの原点は何かということを伝えたくて、その象徴としてピッグ・ノーズの話をしました。

 君たちは街で演奏して、稼げますか?