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あんびえんすギターの話楽屋話
2000年 カリフォルニアツアー珍道中顛末記--後編--

2月24日
 前日のバカ騒ぎのせいで寝不足・・でも今日は本番だからがんばらなくちゃ・・。
 本番の場所は、Sさんのガールフレンドがやっているダンススタジオで、とても綺麗でヒップな感じ。このそんなに広くないところに70人ほどのお客さんが入り、熱気がある。今日はバークレーでお世話になった琴のシャーリーさんと、パーカッションのビンスが逆にゲスト出演することになっている。ビンスは中近東のパーカッションのプレイを得意とするミュージシャンですが、経験も豊富で何でもでき、しかもうまいプレーヤーだ(70才近いらしい)。彼のグルーブはものすごくスピード感があり、しかもかなりの変拍子でもびくともしない。こちらも気合いを入れないと置いて行かれちゃう・・こういった経験がすごく勉強になる・・。  この日の演奏もうまくいき、楽しかった。20年ぶりに友達にも会えて(しかも偶然!)とても印象深い一日でした。

 次の日は移動だけ...といってもサンフランシスコの空港でレンタカーを返し、飛行機でロサンジェルスへ飛び、またレンタカーを借りてアイドルワイルドという町まで5時間のドライブ・・結局まる一日かかりました。(ふー!疲れた)map
レンタカーの中の地図。フリーウエイの運転も慣れました。日本の道路よりずっと走りやすい。

idlewilde
アイドルワイルドの町並み。
コーヒーのおいしいカフェがありました。
 アイドルワイルドは日本でいう軽井沢か八ヶ岳のようなところで、綺麗なサマーハウス(つまり別荘)やお店があるだけの小さな町です。ただし、標高が高い(2000メートル位)のでとにかく寒い。コートを持って行かなかったので寒さがこたえる。風邪をひきそうになるし、腰が痛くなりそうだし・・つまり年ということを思い知らされました・・とほほ。

 この町には、にはジョンの娘が通っている高校があって(IYDLEWILDE SCHOOL OF ART AND MUSIC)そこで生徒の弦カルや先生達と共演することになっている。(らしい)
 まずは弦カルとリハーサル。みんなかわいい。普段やっているクラシックと違いリズムや複雑なハーモニーのせいで音程も難しそうだが、一生懸命ボクやジョンのいうことを表現しようとする。でも一人一人はとてもうまい。クラシックの学生は日本でもそうだが幼い頃からやっているから技術的には高校生でももうかなりのレベルになっている。あとは色々な経験が彼らを本当の音楽家にしてゆくんだろうな〜。みんな成功してほしいな。
 次にドラムとベースが入る曲をリハーサル。二人ともこの学校の先生だ。こちらのリハーサルは僕たちが普段やっているジャムセッションみたいなもので、比較的すぐできてしまった。ベースはマーシャル・ホプキンスという黒人で、ビートがとにかく太い。リズムの感じがバスター・ウィリアムスに似ている。とにかくスイングするのでボクはまたまたゴキゲン!

2月27日
 みぞれ混じりの雨。寒い!それでも300位のキャパのホールは生徒と町からやってきた人達で満員で盛り上がりました。弦カルの子たちも本番の集中は凄くて、リハよりもずっと良かったし、ファンキーな先生達も思い切りスイングして普段のうっぷんを晴らしているようでした。共演の皆さんありがとう・・おかげで楽しい演奏が出来ました。

2月28日
 またまたサンディエゴまでのドライブ。もう車に乗りすぎで飽きまくっていたけどしょうがない。アイドルワイルドは雪。夏タイヤのレンタカーなので怖い!それでも30分ほど峠を下るともう砂漠の景色に・・カリフォルニアは面白い。snow
カリフォルニアの雪!!この車で千キロ以上走った。


 4時間ほどでサンディエゴへ到着。サンディエゴはジョンのホームタウンでご両親が今でも健在でそこに住んでいる。ジョンのお父さんの尽力でUCS(UNIVERSITY OF CARIFORNIA SANDIEGO)の小ホールで到着当日のコンサートである。日本とアメリカのハーフの女性の琴奏者(美人である!)との共演で、今回のツアーでは一番の小編成。
 ジョンのお父さんは昔からジャズが好きで、ジョンのこともすごく誇りに思っていて、コンサートの前に聴衆を前に挨拶を丁寧にしているのを聞きながら、やっぱりどの国でも父親の感情は一緒なんだと、ボクも死んだ親父のことを思いだして妙に感傷的になったりしました。

2月29日
 いよいよ日本へ戻る日である。モーテルのコンピュータが日付のエラーをして、チェックアウトに多少手間取ってしまいました。普通に考えると、今年は閏年なので2月29日まであるのですが、100年に一回は閏年をキャンセルするそうで、今年がその100年目になるそうです。さらに400年に一回はその閏年のキャンセルをさらにキャンセルするそうです!?つまり今年は普通の閏年になるそうです。(何だよ、結局元に戻るんじゃないか!)ボクはそんなことはもちろん知りませんでしたが.....、こんな事知っている人いるの?ま、こんな日に飛行機に乗るのも面白いかなと思いつつ飛行場へ。全く普段と変わりなく、何のトラブルもなく予定通りのフライトとなり、ロサンジェルスの空港で40分ほど待ち合わせて、成田行きに飛び乗ったのでした。

 今回のツアーはレンタカーとモーテルのツアーで疲れたけれど、それでも毎日違う状況を経験できてそれなりに面白いツアーでした。特に色々なローカルミュージシャンと共演し、友達にもなり、ボクの変な英語でもかなりコミュニケーションできたし・・こういうことを面白がれるのはミュージシャンの特権なのかな。サンフランシスコのジェフに会ったことはボクにとって大きい刺激となり、お互いに似たようなことをやりたいのがよく理解できて本当に良い友達になりそうです。

 それにしても疲れた〜!ふー。(こればっか)     前編へ戻る