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あんびえんすギターの話楽屋話
ジャズギター・サミット2002 〜ライブ報告〜

 ・・というわけで大成功のうちに終わりました!!
お客さんも満員で、皆さん大いに楽しみ盛り上がってくれました。

 その日は午後1時からぼつぼつメンバーが会場入り・・。サウンドチェックをすませリハーサルが始まりました。ムレさん(中牟礼さん)の持ち込んだアンプを見てみんなびっくり。ギブソンのメチャ古い真空管のアンプ。見た目は古いラジオみたいな形でいかにも渋い音がしそう。Gibsonのnの字が取れてる!ムレさん曰く、「ボリューム出ないし、壊れるかもしれないから別のアンプ用意しておいてくれる?」。・・でも本当にいい音、いかにもムレさんらしい。

 譜面を前もって渡しておいたこともあり、リハーサルは順調に進み、なんとなく旨くゆく予感がしました。その理由は、みんな楽しんでいるように見えたこと、協力的な感じがしたこと、適当な緊張感を残してわざと完璧な練習をしなかったこと(この辺はなかなかな考えでしょ!)、などがあります。マリーンもギター4人で歌うのは初めての経験で緊張した局面もあったかも知れませんが、そこは経験の豊富な彼女のこと、短時間のリハでバッチリ準備完了となりました。

 リハが順調に終わったこともあり、本番までは時間がたっぷりありました。表に出かける人もいましたがけっこう早めに楽屋に戻り、リラックスして、音楽の話しをし、楽器の情報交換をし、冗談に花を咲かせたのです。ボクはこの本番までの時間がとっても好きです。でも今日はプロデューサーでもあるので、本番の手順を確認したり、客の入りを心配したり、練習もしたいし・・結構とっちらかっていました。

 いよいよ本番。タイプの違う4人がどのようにかみ合うのか・・自分はちゃんと落ち着いてプレーできるのか・・進行は・・司会の復習・・といったことが頭をよぎりますが、いつものように「え〜い、なるようになる」と気分をハイにして幕は開きました。(実際に幕はないんだけど・・)

 全体の構成を考えた時気にしたのは、4人のカラーがちゃんと表現できるようにすることが大きなテーマでした。それで一人一人をフューチャーしたコーナーを設け、曲も編成も自由にしました。結果をいえばこれが成功のキーだったと思います。本当にみんなのサウンドが違うのです。そして、当たり前ですが、みんないいたいことを音楽で言い切ったと思います。ボクがこの中にいることが幸せに感じました。
 サウンド的にもデュエット、4人のみ、全員、歌と4人のみ、歌と全員・・と考え得る様々なフォーマットを用意しました。ぼく達もお客さんもいろんな音を楽しめたと思います。
 ライブではお客さんの反応が伝わってきます。その反応がぼく達を気持ちよくもすれば、落ち込ませることもあります。でも今日は、はっきりとみんなが楽しんでもっと聴きたい気持ちになっていることが伝わってきました。今日の音はミュージシャンとお客さんが作った音だと伝わってきます。

 そしてプログラムも後半に入り、マリーンの出番。空気ががらっと華やかになり、やはり歌はいいな、歌はうらやましいな・・の感。彼女の存在感はすばらしく、ジャズの常なのですが、リハと違うサウンドになってもびくともしない音楽を披露したのです。マリーン、あなたはすごい!

 用意してあったアンコール曲が終わっても拍手がやみませんでした。みんなは「おい直居、もう一曲ソロやれよ!」といってくれましたが、終わりの時間のこともあるし、予定通りBGMも鳴り始めていたので、最後のお礼を述べて終了しました。

 自分のことをいえば、うまくいかなかった部分もあるし、もうちょっとどうにかやりようがあったところもありますが、そんなことはいつものことで、100%うまくいったことはないのです。それよりも同業者が放つ実弾の嵐の中、自分もその音楽に参加し、一緒に作った快感みたいなモノに意味を強く感じていました。
 普通、この手のライブでは「オレが、オレが!」的精神が強く出るものなのですが、今日は「よし!4人で音楽を作ろう!」的精神が充満していたのです。この精神を持った4人もすごいし、集めたボクもすごいなと、自分を誇らしく思う気持ちもありました。

 全体を通し、すごく楽しく、刺激があり大きな収穫を得ることができた今日のライブですが、準備には手間がかかり、結構大変でした。またやろうといってくれる人もいますが、そんなに感単にはできません!でも日が経つにつれまたやりたいな〜の気持ち。
 最後にムレさんが「この企画は直居クンじゃなきゃできなかったよ。すごく楽しかった」といってくれたことを報告いたします。

 お客さんをはじめとし、関係した全員に尊敬と感謝の気持ちを伝えたいと思います!!
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